2月9日(土)、北杜市郷土資料館において、収蔵資料展「わら-藁-の道具」関連事業といたしまして、“ワラウマづくり”のワークショップを実施いたしました。
定員を大幅に上回るお申し込みがありましたので、午前と午後の2回行いました。
講師は、「古民家なかや」の大塚謙一氏をはじめ、「満月の会」の方々にお願いをしました。
はじめに・・・
■ワラウマとは?
車やトラックがない時代、馬は農耕や運搬の主役でした。
そのころの北杜市域の農家では“内馬屋(ウチマヤ)”と言って、家の中(土間)で馬を飼っていました。
このような家の造りは、昭和30年代のころまで見られました。
人と馬が同じ屋根の下で生活をしていました。
それを各家に持ち帰り、餅や団子は馬にも分け与え、ワラウマは屋根の上に投げたり天井裏に置いたりして、人と馬の健康を祈る風習がありました。
馬を各家で飼わなくなって久しい現代、こうした風習は廃れつつあります。
それでは、作業の手順にそって紹介をしていきます。
【準備】
ワラを加工する際には、まずハカマと呼ばれる下葉を取り除きます。
この工程を「ワラをすぐる」と言います。
ワラは専用の“ワラスグリ”とよばれる道具や“千歯こき”“脱穀機”などですぐります。
今回は“千歯こき”を使いワラをすぐりました。
ワラウマ作りには、ミゴと呼ばれる穂先の部分と茎を使います。
一度にすぐるワラの量や力加減が難しく、参加者の方々は苦労されていました。
次に、“ワラウチヅチ”を使ってワラを敲いて柔らかくし、加工しやすくします。
ハカマを取り除いたワラを水に濡らして敲いていきます。ワラは敲くと柔らかくしなやかになり、そのうえ強度も増します。
【ワラウマをつくる】
最初に頭の部分を作ります、三つ編みが顔になります。
手慣れた様子ですいすい編みこんでいく参加者の方もいらっしゃいました。
次に、タテガミと耳を付けて首をつくります。
さらに、尾を作ります。
タテガミと尾の形で、馬に個性がでてきます。
胴を折り、頭を合体させます。ここが一番の難関です。
尾を付け、足を固定して・・・
形ができあがりました。
皆さん思い思いの布でワラウマを飾りつけました。
完成です!!
楽しくワラウマを作りながら、昔の北杜市域の暮らしに思いをはせていただく機会になりました。
北杜市郷土資料館では、今後も地域の暮らしや文化に触れることのできる体験教室を開催いたします。
みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げます。
*体験教室などのイベントは、こちらのブログ「資料館日記」でもお知らせさせていただきます。
最後に、みなさまの笑顔をお届けいたします!
ご協力いただきました「満月の会」のみなさまへ
大変おせわになりました。
心より感謝申し上げます。