9月20日(土)ほくと歴史の杜 ふるさと講座「地形・地質から防災を考える」を開催しました。
八ヶ岳や甲斐駒ケ岳と土石流災害の関係について、講師の解説により理解を深めました。
具体的には、かつて土石流被害に遭った場所に立ち、山との距離感や地形の特徴、現在も残っている土石流の痕跡を観察しました。
大荒れの碑の前では、石造物に刻まれた災害の歴史を学び、復旧の様子を見学しました。
また、現在の小荒間地区の防災事情について、地区の方に現状を伺いました。
新しい定住民を、地区の防災組織に組み込む話し合いも行われているそうです。
30万年以上前に湖があったとされる見学ポイントでは、化石化した樹木の根が露頭した地層を中心に観察しました。
災害によって地学的な発見があった特殊な事例です。
昭和34年の台風7号・15号被害を契機に、国土交通省 富士川砂防事務所が新設されました。
市内では、釜無川支川の砂防事業を行っています。
現在、石空川(いしうとろがわ)中流床固(とこがため)工事が進んでおり、その現場見学をさせていただきました。
富士川砂防事務所長から工事の内容や施設の役割など、お話いただきました。
通常、工事中の施設内に立ち入ることはできないため、参加者の皆さんからは盛んに質問が寄せられました。
今回の企画展名である「忘るな」は武川町三吹に建つ「水難之碑」の冒頭の言葉です。
繰り返し発生する災害の記憶を、時代を超えて後世に伝えようという、先人たちの強い思いが伝わってきます。
武川町上三吹の小野氏宅では、明治31年の土石流災害の折、家屋内に押入った土砂を庭へ出しました。
水が浸入してきた方向に土砂を積み上げ、再度の水害時、家を守れるよう備えたそうです。
土砂の山の高さが、災害当時の水位ということで、実際に上がらせてもらい、増水の驚異を実感しました。
水が浸入してきた方向に土砂を積み上げ、再度の水害時、家を守れるよう備えたそうです。
土砂の山の高さが、災害当時の水位ということで、実際に上がらせてもらい、増水の驚異を実感しました。
見学の最後には、釜無川・尾白川・大深沢川が合流する堤防の地形を観察。参加者の皆さんからは、「実際の災害地に立ち、地形の観察を通して認識が改まった」との感想が寄せられました。